
【皮膚科の先生に聞いた】将来のために「与えないタンパク質」を残しておこう
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わんちゃんの健康を守るために、私たち飼い主ができること。
その中でも「アレルギー対策」は、とても大切なテーマです。

Paw'sでは皮膚科の先生と関わる機会が多く、そんな中で耳にした先生のつぶやきがありました。
「できれば、摂取しないタンパク質を残しておいてほしいなぁ」
最初は少し意外に感じるかもしれません。
「えっ?いろんな栄養を摂った方が健康にいいんじゃないの?」って。
でも実は、わんちゃんや猫ちゃんの皮膚トラブルの背景に、アレルギーやアトピー性皮膚炎が隠れているケースは多く、気づかないまま過ごしている子も少なくないのです。
「今まで食べたことのないタンパク質」が必要になる日が来るかもしれません。
アレルギーと診断された際、最初に行うことのひとつが「除去食」です。
特定のタンパク質を避け、症状の原因を探る必要があります。
このときに頼りになるのが、「新奇(しんき)タンパク」と呼ばれる食材。
つまり、これまで一度も摂取したことのないタンパク源です。
たとえば:

✅ 鹿肉
✅ 馬肉
✅ 羊肉(ラム)
✅ カンガルー肉
✅ 白身魚(タラなど)
こうした素材は、アレルギー対応の療法食にもよく使われています。
ところが近年では、ジャーキーなどのおやつやトッピング、総合栄養食などに日常的に使われていることも多く、知らず知らずのうちに「貴重な新奇タンパク」を消費してしまっていることがあるんです。
アレルギーは、思っているよりずっと身近なもの。
💬「うちの子はアレルギーって診断されたことないから大丈夫」
そう思っていても、実は慢性的なかゆみ・赤み・耳のトラブルなどが、アレルギーのサインだった…というケースは少なくありません。
かかりつけ医の診断がなかった子でも、セカンドオピニオンで「アレルギー視点」の治療を進めてみようと思えたという方が多くいらっしゃいます。
なぜなら、ペットのアレルギーが広く認識されはじめたのは2008年ごろから。
しかも、その発信は主に欧米の獣医療界からでした。
だからこそ、日本ではまだまだ十分に浸透していないのが現状です。
「何をしても治らない…」と悩んでいた先に、アレルギーの気づきが。
どんなに治療しても改善しないトラブルに悩み続け、最終的に皮膚科の先生にたどり着いて、
「実はアレルギーが原因だった」と気づかれる方も増えています。
そしてその時、「食べられる素材がもう残っていない…」という事態になってしまうと、
それは飼い主さんにとっても、わんちゃん猫ちゃんにとっても、とてもつらい状況です。
与える素材は慎重に。「あえて与えない」という愛情もある。
人間の場合は「いろいろな食材をバランスよく食べる」ことが健康の秘訣とされます。
※ただし最近では、アレルギーのリスク管理として幼少期に多種を一気に摂らない方がいい、という見解もあります。
一方、わんちゃん・猫ちゃんの場合は「あえて与えない素材」を持っておくことも大切です。
特に、皮膚や免疫に不安のある子にとっては、タンパク源の管理=将来の選択肢の確保になります。
【まとめ】新奇タンパクを「とっておく」ことも、立派な健康管理です。
大切なわんちゃん・猫ちゃんの未来のために、「あえて与えない」選択を取り入れてみてください。
たとえば:
🐾 普段のごはんやおやつは「赤身魚・鶏肉・豚肉」などに限定する
🐾 鹿肉・馬肉・魚類などはお守りとしてとっておく
選択肢を残しておくことで、将来の予防や治療の幅がぐっと広がります。
ちなみにPaw'sのお魚(まぐろ・かつお)は赤身魚です。
日々のごはんは、ただ栄養を満たすだけでなく、「未来の健康」への投資でもあるのです。
うちの子、アレルギーかな?と思ったら
→フードアレルギーケア取り扱い施設一覧よりお近くの施設へご相談ください。
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