フリーズドライフードの衛生管理|知っておきたいポイント
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前回の記事では、フリーズドライフードの仕組みや特徴について解説しました。
フリーズドライは、食材を急速冷凍し、真空状態で水分を昇華させて乾燥させる加工方法です。
素材の香りや形を保ちやすいことから、近年ペットフードでも注目されている製法です。
一方で最近では、「生の食事(ローフード)が良い」という考え方を耳にする機会も増えてきました。
たしかに、生の食材には魅力もあります。
しかし同時に、衛生管理の視点もとても重要になります。
なぜなら、フリーズドライ加工は
乾燥技術であり、殺菌工程ではない
からです。
そのためフリーズドライフードでは、乾燥する前の「使用素材の加熱殺菌工程」と衛生管理が非常に重要になります。
今回は、フリーズドライフードにおける加熱殺菌工程と衛生管理について解説します。
フリーズドライフードの菌対策はメーカーによって違う
フリーズドライフードでは、乾燥前の原料に対してさまざまな方法で菌のリスクを管理しています。
代表的な方法をいくつかご紹介します。
🔵 高圧処理(HPP)
食品に非常に高い圧力(通常400〜600MPa程度)をかけることで、微生物を不活性化する技術です。
熱を使わないため、「生に近い状態を保ちながら菌リスクを管理する方法」として、海外のローフード製品などで採用されることがあります。
補足:HPPの制限について HPPはサルモネラ菌・リステリア菌・病原性大腸菌などの一般的な食中毒菌に対して有効とされています。ただし、芽胞を形成する菌(クロストリジウム属など)に対しては、圧力のみでは効果が限定的とされています。「完全な殺菌」ではなく、「菌数を大幅に減らす技術」として理解しておくとよいでしょう。
🟡 有機酸などによる抗菌処理
食品加工では、
✔️ 乳酸
✔️ 酢酸
✔️ クエン酸
などの有機酸を使用して菌数を減らす処理が行われることもあります。
こうした処理は、原料肉の表面に付着した菌を減らす目的で使われます。
ただし、これらは加工工程の一部(加工助剤)として扱われる場合があり、必ずしも原材料表示に記載されるとは限りません。
つまり、飼い主さんからは見えにくい工程であることもあります。
🟢 オゾン・紫外線などの表面処理・環境管理
製造環境の衛生管理として、
✔️ オゾン水・オゾンガス(製造環境・原料表面への処理)
✔️ 紫外線(製造環境・包材・空気への処理が主流)
などを利用する方法もあります。
これらは主に表面の微生物を減らす補助的な処理、または製造環境を清潔に保つための管理手段として使われます。
乾燥状態では菌の活動は抑えられる。でも、ゼロではない
フリーズドライフードは水分量が非常に少なく、およそ1〜5%程度の乾燥状態になります。
この状態では菌の増殖はほとんど起こらず、活動も強く抑えられます。
しかし、菌そのものが完全になくなるわけではありません。
⚠️ 水分が加わるとリスクが変わる
・ぬるま湯で戻したとき
・食べる際に唾液が触れたとき
など、水分が加わると菌が再び活動する可能性があります。
乾燥しているから安全、ではなく、乾燥前の原料の衛生状態がとても重要になる理由がここにあります。
ペットフードでも食中毒菌への配慮は必要
🐾 わんちゃん・ねこちゃん自身への影響
サルモネラ菌などの食中毒菌は、
✓ 下痢・嘔吐・発熱
といった症状を引き起こすことがあり、特に子犬・子猫やシニアの子では体調への影響が大きくなることもあります。
👨👩👧 飼い主さんへの交差汚染リスクも
こうした菌はペットだけでなく、人側の食中毒につながる可能性もあります。
例えば、
✓ ペットフードを触った手
✓ フードボウル
✓ キッチンや調理台
などを介して、交差汚染が起こる場合があります。
米国・カナダでは、サルモネラに汚染されたペットフードやおやつを扱ったことがきっかけで、人の食中毒が報告された事例が公的機関によって記録されています。
特に幼い子どもや免疫力が低下している方がいる家庭では、より注意が必要とされています。
そのため現在では、
「ペット用だから人には関係ない」というわけではない
という理解が広がっています。
Paw's Green Deliのフリーズドライフードの考え方
Paw's Green Deliでは、フリーズドライフードを作るうえで安全性への配慮をとても大切にしています。
フリーズドライ加工は乾燥工程であり、その前の原料状態が製品の安全性に影響する可能性があるためです。
🫧 Paw'sが採用している工程
そのためPaw'sでは、
素材を一度加熱殺菌工程(蒸し工程)を経てからフリーズドライ加工する
という工程を採用しています。蒸す工程を入れることで、
✓ 食中毒菌のリスク低減
✓ 原料の衛生状態の安定化
につながります。
「自然な食事」を大切にしながら、安全性にも丁寧に配慮すること。
それがPaw'sのフードづくりの考え方です。
→ 🐱猫ちゃん用フリーズドライフードの詳細はこちら(商品ページリンク)
→ 🐶わんちゃん用フリーズドライフードの詳細はこちら(商品ページリンク)
まとめ
フリーズドライフードの安全性は、フリーズドライ加工そのものではなく、乾燥前の加熱殺菌工程や衛生管理によって大きく変わります。
メーカーによって採用している方法はさまざまです。

そして、フードを選ぶ際には、
✅ 総合栄養食かどうか
✅ 原材料がシンプルかどうか(ミールや副産物を使っていないか)
✅ 製造方法や衛生管理の情報公開
といった点も合わせて確認してみてください。
今回は、新しい製造方法「フリーズドライ」について、さらに深掘りしてご紹介しました。
ぜひ、愛犬・愛猫のフード選びの参考にしてみてくださいね。
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